渡辺やすゆきの改革実績
1. 公務員制度改革
平成26年に設置された内閣人事局は、平成20年に成立した国家公務員制度改革基本法に基づきます。この法律のドラフトを書いたのが私です。「本当の“民主主義国家”にしよう」というのが、私が公務員制度改革基本法に込めた願いです。自分や子どもたちの未来は、自分たちで決める。公務員制度改革。これにより、政策の作り方が変わりました。ここから「官僚主導」から「政治主導」に変わりました。自分たちが選んだ政治家がこの国の方向を決める。日本は、民主主義国家に変わったのです。(雑誌『時の法令』2008 年1823 号に掲載)
2. 大阪府高槻市での目標値設定
高槻市副市長として、市の今後10年間をどうするかの方針・目標を決める「総合基本計画」の改定に携わりました。その際、他の自治体とは全く違う計画を策定しました。まず、「目標が実現した姿」を具体的にイメージできるようにし、健康寿命や救急搬送などについて「目標値」を明確に設定しました。一方で、その目標を達成する手段は敢えて書きませんでした。そうすれば普通なら思いもつかないアイデアが生まれます。10年先の目標を見せることで、市民も、市役所が取り組むビジョンを共有できます。
3. 財政改革
那須塩原市では、副市長として財政改革を断行しました。私は、敬愛する二宮金次郎(尊徳)が実践した方法を市長に説明し、賛同頂きました。彼のやり方は「分度推譲」。これに基づき、那須塩原市でも徹底的に無駄な歳出を削減する「分度」と、分度を上回る収入を将来の投資に向ける「推譲」に取り組みました。市役所の光熱費などの諸経費の予算を5割カットなど様々な財政改革を断行しました。結果、財政状況は大幅に健全化しました。(雑誌『地方行政』2016年第10674号に掲載)
4. 子育て応援券制度
総務省から大阪府高槻市に出向していた際、当時、二歳の娘を育てていました。子どものいる共働き夫婦やシングルマザーの方など、働きながらの子育ては本当に大変です。この状況を何とかしたい、との思いもあり、市の独自施策として「子育て応援券」を導入(当時西日本初)することを提案しました。子育てサービスに使えるクーポン、数万円分を子育て世代に配布することにしました。子育て応援券により、子育てサービスの需要が生まれます。この「子育て応援券」も日本全国に広がれば良いと思います。
5. 東日本大震災での行政相談制度
平成23年3月11日、東日本大震災が起きた時、総務省が所管する行政相談制度の担当をしていた私は、内閣府「阪神・淡路大震災教訓情報資料集」を参考に、対応すべき事項を時期に応じて整理しました。そして、それぞれの段階で生じる行政課題に対応するため、必要な行政情報も整理しました。それを被災地の行政相談員の方々に配布しました。現場の相談員の方からは、非常に助かるとの感謝の言葉を頂きました。(雑誌『会計と監査』2011年5月号に掲載)。
6. 通勤・通学者向け「駅前無人図書館」
また高槻市では「駅前無人図書館」を建設しました。ネットで予約した本を翌朝、駅前にある図書館で借ります。そしてそのまま通勤・通学中、電車で本を読むことができます。本を数多く買うお金がない、あるいは忙しくて図書館に行く時間がない人たちが、本を読むことができる。図書館は「無料」なので、経済的に困窮した家庭に生まれても、また失業しても、本を読む機会を奪われません。本を読み、勉強を頑張れば、困窮していても、コネがなくても、親が有力者でなくても、夢を実現することができます。